scent そこにないもの

Author北嶋竜樹 / Tatsuki Kitajima
Category Food
青々とした衣をはいで、ふかふかの瑞々しい小さな粒が顔を出す。
あたたかく揺らぐ鏡の中で、漂う空気の匂い。そこにある季節の感じ。
それは何か直接的であり間接的でもあり、とてもいい匂いがする。

新緑の大地に顔をうずめるような、収穫にも似た感覚を、
時に私は調理という行為の中に見いだします。

何層にも重なったそれは、やがて溶けてなくなっていき、
存在なんてしていなかったように、そこに存在する。

彼女の作り出す洋服には、どことなく良い香りがするのだ。
それはまるで香りを纏っているかのような感覚で
口にふくんだ あの至福の瞬間と とても似ている。

neutral 北嶋竜樹


【レシピパターン1】

時期の豆のサラダ

– うすい豆(なければそら豆でも良い)適量
– ホワイトバルサミコ 少々
– オレンジアマニオイル 少々
– 塩 ひとつまみ

(うすい豆で作る場合)
豆を取り出した鞘を細かく刻んで、鞘の総量の倍量の水と一緒に鍋に入れ火にかける。
沸騰したら弱火にし15分煮出す。15分たったら紙漉しする。
漉した液体500gを鍋に入れ、5gの塩と2.5gのきび砂糖を入れて火にかける。
沸騰したら豆を入れて、1分20秒茹でたら鍋を氷水に当て、液体ごと冷やす。
冷めたら薄皮を剥き、液体の中へ戻す。この状態でタッパーなどに入れて冷蔵保存する。
※鞘で引いた出汁はうま味が強く、出汁の茹で、出汁の中で保存すると香りよく仕上がる。

(そら豆の場合)
500gの水に5gの塩と2.5gのきび砂糖を入れて火にかける。沸騰したら豆を入れて、
1分30秒茹でたら鍋を氷水に当て、液体ごと冷やす。冷めたら薄皮を剥き、液体の中へ戻す。
この状態でタッパーなどに入れて冷蔵保存する。(鞘を使わない以外はうすい豆と同じ)

(豆腐のフレッシュチーズ)
木綿豆腐(水きりしたもの) 150g
柑橘果汁(レモン・すだちなど)4g
きび砂糖 4g
(アガー)1.5g

豆腐は市販のものでも良い(豆腐のレシピは下記参照)
アガーはなければ入れなくて良い(入れると保形成や質感に違いが出る)
材料をミキサーやミルサーに入れしっかり撹拌し、タッパーに流し込んで冷蔵庫で保存する。
柑橘の果汁もレモンを筆頭に香酸柑橘類であればお好みのもので良い(本項は邪払果汁を使用)

( 豆腐 )
500ccの豆乳に小さじ2.5のにがりを入れてゆっくり混ぜる。型に流し入れ蒸し器で15分。
型ごと冷水に入れ型から外す。

( 薄皮のパウダー )
薄皮は香りが良いので、乾燥させてパウダー状にして使う。(本項では食品乾燥機を使用)
ご家庭ではしっかりペーパーで水気を切り、素揚げしたものを粉砕して代用する。

( エストラゴンオイル )
エストラゴン20gと菜種油40gをミキサーに入れ約4分撹拌し、紙濾しする。
同様に様々なハーブで作ることが出来ます。オイルは菜種油かグレープシードオイルを使用します。

( 味付けと盛り付け)
ペーパーで水気を切った豆をボールに入れ、ホワイトバルサミコとオレンジアマニオイルを適量入れ
塩で味を整える。香り付けにピスタチオオイルを1滴加える。(ご家庭では省略)
器に豆腐フレッシュチーズをすくって置く、その上に豆の皮のパウダーを茶漉しでふりかける。
手で砕いてふりかけても良い。豆を横に添えて、仕上げにエストラゴンオイルをかける。
(ハーブオイルがなければエクストラヴァージンオリーヴオイルでも代用する)
本項では仕上げにアリッサムの花を添え、豆の出汁に大豆レシチンを加えた泡を添えています。

Author

北嶋竜樹 / Tatsuki Kitajima

1983年大阪生まれ。27歳の時にグラフィックデザインの仕事から食の世界へ。都内のいくつかのレストランで10年間働く。2018年に麻布十番にあるミシュラン一つ星「スブリム」で副料理長を務めた後、2020年拠点を京都へ移す。2021年インスタレーションを用いた食の新しい在り方を表現するプロジェクト「neutral」を始動した。
https://www.neutral-scape.com/